「泣きたいだけ泣いてごらん」ベルリン・フィル12人のチェリストたち

「泣きたいだけ泣いてごらん」画像
ちょっと照れくさい題名がついてます。
英文のタイトルは「NOSTALGIE」

これは「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」が全曲日本の歌を弾いています。
それもほとんど「荒城の月」や「宵待草」など昔の唱歌や民謡です。

このスーパーチェロ軍団が日本の唱歌を纏綿と歌うところが今までに聴いたことのないサウンドになっています。
素晴らしいカンタービレです。

全曲を編曲したのが作曲家の三枝茂彰。

彼がライナーに記した中に非常に興味深い一文がある。
少し長いが引用させて頂きます。

このCDのプロセスで印象に残ったのは、曲に情緒をこめて「歌う」方法論の違いでした。端的にいうと、日本人は「歌うこと」を純然たる情緒ととらえ、その感情におぼれていきます。しかし、西洋人は単なる感覚に溺れてしまうことを非常に嫌うのです。つまり、情緒におぼれることなく、「歌うこと」さえもある一定の形の中にまとめようとするのです。

 たとえていえば、一小節をテンポ60で歌うとすると4秒かかります。ドイツ人はこの枠を崩さず、前半を短く、後半を伸ばして歌い、全体として小節の時間そのものは変わりません。しかし日本人はこの4秒が、4.5秒、5秒、6秒とずるずる延びてしまうことを快感と感じるのです。「歌う」という概念がドイツ人と日本人の間では、前から分かっていたのですが、やはりこのような大きな違いに当惑してしまいました。

 その点を指摘すると、ならおまえが指揮してみろということで棒を振ってみるとなるほど違います。彼らは最初のうちは,こういう歌い方に抵抗を示していたのでした。そのうちに彼らも日本的な歌い方とはどういうものか、具体的に把握し始めていったようでした。別の言葉でいえば、日本人は情緒を感性でとらえ、ドイツ人は情緒を理性でとらえようとします。こうしてお互いに影響しあって、今までとはかなり違う歌い方をそれぞれが認識しあうことになったのです。こうしてお互いに影響しあって、今までとはかなり違う歌い方をそれぞれが認識しあうことになったのです。~(ライナーノーツより)

ジャズトロンボーンの向井滋春さんがブログで「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」の実演の感想をかかれていました。→こちら
「アンコール(数曲やった)の中で荒城の月はジーンと来たな、この曲今まで聴いた中で最高だった。」

この「荒城の月」を実演で聴かれたのですから、それはたまらないだろうなと思います。


1. 荒城の月
2. ずいずいずっころばし
3. 五木の子守歌
4. 小諸馬子唄
5. 烏の手紙
6. こんぴらふねふね
7. 赤い靴
8. 冬の夜
9. 宵待草
10. てんさぐの花
11. おぼろ月夜
12. 荒城の月(リプライズ)

泣きたいだけ泣いてごらん
泣きたいだけ泣いてごらん

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この記事へのコメント

2006年09月20日 12:36
こんにちは。
彼らの演奏する「荒城の月」、というか三枝さんの「荒城の月」というか・・・どんなんでしょう?聞いてみたいです。
海外の演奏家が日本の曲を一つ、二つ取り入れると必ずといっていいほどこの「荒城の月」が取り上げられますよね。あちらの方が聞いてもそれだけ魅力のある曲なのか、それとも単にほかがあまり知られてないからかはわかりませんが。だれもが知ってる曲なので場内が一瞬わ~っという感じになるんだけれども、なんだかこれは違うぞ?というようなテンポで軽快に演奏されることもめずらしくなく・・・(苦笑)。

12台のチェロで「荒城の月」、想像しただけでもぞくぞくしますね。安いCD、出回ってないかな~。
ダンベルドア
2006年09月20日 13:13
>うるるさん
 このCDは結構以前なので(1994年リリース)なかなか店頭では見ないです。記事中のAmazonのリンクではチョットだけ安くなっています。
 このCDの12チェロって今のメンバーと音が違う独特のサウンドのような気もするのです。
うるる
2006年09月26日 14:31
ダンベルドアさん、こんにちは。
実は図書館にあったんですよ。12人のチェリストで検索したら引っかからなかったんだけど、三枝さんで出てきました(笑)。
ピアノを習っていたころ、毎年発表会で小中学生を集めてミニ合唱のようなことをしていたのですが、そのときに歌ったことのある曲がけっこう入っていて妙になつかしかったです。

あちらの国の方たちにこういう曲を演奏されるのって、なんだかくすぐったい感じがしますね。タイトルもくすぐったいですが・・・。
ダンベルドア
2006年09月26日 21:35
>うるるさん
 図書館にあったのですか。うるるさんのところの図書館は本当にCDが揃っていますね。

>あちらの国の方たちにこういう曲を演奏されるのって、なんだかくすぐったい感じがしますね。

 ここまで歌いこまれるとあちらの方が演歌を日本語で小節を回して歌ったような妙な感心のしかたをしてしまいました。

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