バッハ:ゴールドベルク変奏曲~グールド1981年

 バッハのゴールドベルク変奏曲はピアノの出現する前にチェンバロのために書かれた曲だが,アマゾンで検索してもグールドのピアノ演奏の新旧2種類の演奏がトップに来ています。
 ゴールドベルクといえばこの曲でデビューしてポピュラーにしたのはグールドであり,彼の最後の録音もこのゴールドベルク。

最近,私の聴き方は1枚のCDを数十回聴き続けたりすることが多いが,このゴールドベルクの1981年版を聴き続けてその魅力にはまってしまった。(今更?)

胸のすくような超特急の1955年の旧盤もよいが,この新盤は各声部がしっかりと独立して歌っているポリフォニックがすばらしいです。

テーマは異様に遅い。
それだけに短調に転調する箇所の彼の歌声もすでに大きく聞こえます。

メロディーを弾く右手の微妙なニュアンス。
低音のスタッカートの軽やかさ。そして力強さ。
真ん中の手が(そうとしか聞こえない!)弾く内声部の浮き上がり。

フォルテのアクセントの力強さ。

今ちょうど第14変奏まできたが,やさしく歌った第13変奏の後のこの決然とした力強さは心奪われる。

そして第15変奏の短調の沈静を経て,第16変奏,これは序曲となっているが楽器をフルに鳴らしているオーケストラを聴いているようだ。そしてだんだん高揚してくる。第20変奏あたりのドライブ感を持って第21変奏の力強い短調に突入する。
これから最後の第30変奏にかけての盛り上がり方は本当に耳を奪われるすばらしさ。

そして最後のテーマの回帰。
大きな競技の後のクールダウンのように静かに静かに人生を回想するかのようです。
そして彼は逝ってしまったのですね。




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この記事へのコメント

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2008年06月25日 17:58
 ダンベルドアさん、お久し振りですね。お元気に毎日をご活躍のことと存じます。ちょっと時間があったものですから、ダンベルドアさんのブログを拝見させて頂きました。私、グールドのこの盤は55年に録音したものを持っているんですよ。この < ゴールドべルく~ > は トマス・ハリスの「 羊たちの沈黙 」 を読んで強烈な印象が残っております。あの頭脳明晰なハンニバル レクター博士・・・この曲は私のバッハ感では最も好きなうちの1つです。懐かしく思ったものですから・・・失礼致しました。
ダンベルドア
2008年06月25日 23:38
こんばんは。
お久しぶりです。
グールドの55年と81年の両方の演奏はどちらも存在価値というか、聴くTPOがありますね。
 「羊たちの沈黙」未読です。機会があったら読んでみます。ありがとうございました。

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