カラヤンのレコードの想い出~「勝手にカラヤンの日」

私がレコードを聞き始めた頃はすでにカラヤン全盛といっても良い時代でした。
当時は、FMのスポットCMによくクラシックの新譜の宣伝が流れたが、記憶にあるのはみんなカラヤンのものでした。

○ 大阪万博のドイツ館で買った記念LPにあったベートーヴェンの「コリオラン序曲」は確かカラヤンBPOの演奏だった。
大理石でできた彫刻を見るような美しく、迫力のあるベートーヴェンでした。

○ カラヤン指揮パリ管弦楽団ワイセンベルクのピアノのチャイコフスキー「ピアノ協奏曲」は父が買ってきたレコードでした。

あの有名な最初の序奏のテーマ、なんてゆったりとして豪華絢爛な演奏でしょうか。
ベルリンのオーケストラもパリのオケも同じ傾向の音が聞かれるのに驚きます。
でも、そのあとの主題の部分からあと何度聞いてもよく理解できない音楽でした。
そのうち聞くのが苦痛になってきました。

○ 友達が貸してくれたシベリウスの管弦楽曲集。
「フィンランディア」
 ベルリンフィルのオケがうまい!すばらしい音楽です。
今はシベリウスの音楽とちょっと離れたものがあるような気がします。

「タピオラ」
 シベリウスの傑作のひとつだと思います。
ただ、途中の火のような盛り上がり方が音楽的に疑問でした。

○ 私は正直申しますとカラヤンのファンではないしアンチでもないです。
しかしたくさんの演奏の中で気にいったのもあるし、中古レコード屋に持っていったのもたくさんあります。

モーツァルトの交響曲40番。ウィーンフィルの演奏。
この曲は好きですが、何度聞いてもぴんときません。
中古屋行きになりました。

◎ 私が感じたカラヤンの特徴
(たぶんに誤解や偏りがあるかも)


1.大編成にする
 古典やバロックでも大編成で豊かな音にする。
なんか常に5リッターのメルセデスで走っているような感じです。

2.レガートで歌う
 これは誰かがそういっているを聞いたことがありますが、歌うところはあまりメリハリをつけないで歌っているように感じます。

3.ダイナミックレンジにこだわったピアニッシモやフォルティッシモ
 先ほどのチャイコのPコンの第2楽章の頭のピツィカート、シベリウスの「悲しきワルツ」の冒頭。ピアニッシモが聞こえないくらい小さい。

逆にびっくりするようなフォルティッシモ。
先ほどのチャイコの中にもありました。
ここまでするのか、これは音楽の要求というよりダイナミックレンジ的な感じにこだわりがあるのではないか。

4.低音を効かす
 オケの編成もあるのでしょうがコンバス、チェロの低弦が強め。
テュッティの和音が「バン」と一発でででるのではなく、下から盛り上がって「ジュワン」といった感じに聞こえるのですがどうでしょうか。

5.どうしたら受けるか、かっこいいかが考慮されている
 3.にあげたこともそのひとつですが、大衆の喜ぶことを考えているという点でオーディオ的、ヴィジュアル的に考慮してる。

自分の指揮姿のどの角度がかっこいいかも気にしていたようです。
ドヴォルザークのスラブ舞曲の最後のフェルマータが異様に長い。
これも受けを狙ったのかなと思います。

○ 以上、これは良し悪しではなくて特徴です。
これを綿密なリハーサルでいつも作り上げるのではなく簡単に流して出すそうですので、これは特異な才能だったのでしょう。

岩城宏之に指揮は「ドライブでなくてキャリーだ」と語ったそうですが⇒(参考記事)
まさにうまくキャリーしているのですね。

ただし、garjyuさんもおっしゃっているように得意・不得意の差が結構あったようですね。
どちらかというとポピュラー名曲みたいのをうまく美しく演奏する。
あるいはオペラのように組み立てられた演出で、盛り上げるのが素晴らしいような気がするのですが。

○ 私が気にいっている演奏をひとつあげます。
ウィーンフィルの『ドヴォルザーク交響曲第8番』。
60年代の録音の方です。
前述の特徴がうまく盛り込まれて若々しく、美しいドボ8です。
今探したけど見当たらない。廃盤かも。


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