シューマン「ピアノ五重奏曲&ピアノ四重奏曲」:バリリ弦楽四重奏団~「勝手にシューマンの日」

シューマンはどちらかというと苦手な作曲家でした
交響曲第4番をチェロで弾いたことがあるのですが、どう弾いても弾き栄えのしないパートの書き方になっているところが多いのです。・・・私が未熟だっただけなのかも知れませんが。

オーケストレーションがあまりうまくないといわれています。それも名指揮者は魅力にしているのでしょう。たとえばフルトヴェングラーとか。

そして、チェロ協奏曲。
これもレコードとか聞く前に楽譜で持っていて、最初の部分を目で追うととてもロマンティックな魅力的な旋律。
ところが、弾いて音にするとなんと痛々しい音楽でしょうか。
ちょっと耐えられなかったのです。

パブロ・カザルスは著書の中でこの曲を評して「ああ、何と可哀想なシューマン!!」といっていました。
かれは、ずいぶん精神的につらいものを持っていたようです。
そして、実際川に飛び込んで自殺未遂を起こしたりしています。

けれども幸せいっぱいの音楽も書いています。
私が好きなのは「アダージョとアレグロ~ホルンまたはチェロとピアノのための」
なんと美しい音楽でしょうか。これは今まで自然倍音(ド、ミ、ソ、♭シ、ド、レ、ミ・・・)しか出せないナチュラルホルンが、現在のような自由な半音階まで出せるバルブつきホルンが発明されたときにかかれた曲だそうですが、もうこのホルンの魅力を熟知したような甘く美しい曲です。音域が近いチェロでも弾かれますが、ホルン向きだと思います。

ピアノ独奏曲「アラベスク」「子供の情景」もいいですね。

なんか探してもどちらの曲もなかなかでてこない。

そこで、今回は未開封のまま何年も置かれていた「ピアノ五重奏曲&四重奏曲」。画像

これを機会に封を切りました。
シューマンの弦のための室内楽は数少ないらしいけどいいですね。ブラームスのピアノ四重奏に似た雰囲気もあります。

五重奏曲の第1楽章。颯爽とした晴れがましい出だしのあと、しっとりと各楽器が歌を受け継いでいく。
ウィーンフィル・トップ奏者のバリリ四重奏団による自然体によるアンサンブル。

第2楽章の最初、ビオラのC線(一番低い弦)のソロが魅力的。行進曲風にと楽譜にかかれてありますが、どちらかというと葬送行進曲?のような厳粛な音楽。そして次の弦が波間を漂うようです。

四重奏曲の3楽章のアンダンテ・カンタービレに陶然となる。
ブラヴェッツのチェロがソロで甘い歌を奏でます。次にジャスミンの花の香りがするようなバリリのバイオリンが受け継ぎ、デムスの弾くベーゼンドルファーのいぶし銀のようなピアノ。
絶品ですね。

 そしてそのテーマが形を変えながら繰り返しでてきます。シューマンは歌曲は素晴らしいのでこういう歌はやはり良いのでしょう。

「クラシックCDの名盤」(宇野、中野、福島共著)で中野雄氏によると「音大の学生に聴かせると茫然、いっとき言葉を失う」そうです。


作曲: シューマン
演奏者: バリリ四重奏団, デムス(イェルク)
 1.ピアノ五重奏曲変ホ長調op.44
 2.ピアノ四重奏曲変ホ長調op.47


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この記事へのコメント

2006年07月01日 01:31
>「クラシックCDの名盤」(宇野、中野、福島共著)で中野雄氏によると「音大の学生に聴かせると茫然、いっとき言葉を失う」そうです。

そういう名盤の話を聴くとまた、財布の紐がゆるくなりますねえ。

garjyu

miwaplan
2006年07月01日 11:24
こんにちは。
四重奏曲は、以前グールドので聴いたような記憶があるだけど、探してもCDが見つからない。違ったのかなあ?

五重奏曲はね、アルゲリッチの《ルガーノ・ライヴ》のCD3に収録されてる演奏で聴いてます。同じCDにヴァイオリン・ソナタ第1番もある。
アルゲリッチが参加していない演奏もあるけど、全体的に珍しい曲が聴けてライヴだしで、充実した3枚組みセットになってますよ。

で、肝心なシューマンの演奏ですけど、歌心のあるロマンチックな、かつ燃える内容になってます。

デムスの弾くベーゼンドルファーとは、また違った魅力があるのではないでしょうかね?
ダンベルドア
2006年07月01日 21:30
>miwaplanさん
>デムスの弾くベーゼンドルファーとは、また違った魅力があるのではないでしょうかね?

ウィーン風のシューマンに対して、熱血燃焼シューマンといったところですか。

アルゲリッチはソロ向きのようでいて、実は室内楽参加が好きみたいですね。やはり相手がいて燃え上がるタイプなのでしょうね。
miwaplan
2006年07月01日 23:30
こんにちは。
そうそう、熱血漢シューマンの雰囲気です。
あんまりウジウジしてません。

マルタは、おっしゃる通り室内楽が好きなんですなあ。他の音楽家とのかかわりをとおして、影響を受けながらも自分の音楽を作り上げていくのがね。それでもマルタはマルタですけど。

このルガーノでのライヴシリーズは、そんなマルタの魅力が全開ですね。

次回はいよいよ「カラヤン」ですね。
もう構想はお決まりですか?
私はまだ、悩み中ですなあ。
ダンベルドア
2006年07月02日 00:04
カラヤン。CD時代になってからあまり持っていないので選択が限られるかな。ということで私も悩み中です。
KiKi
2006年07月03日 20:37
こんにちは♪  遅ればせながら皆さんの「勝手にシューマンの日」エントリーにお邪魔させていただいています。

実は KiKi は当初、これを聴こうと思っていたのですよぉ。  でも、風邪っぴきでヘロヘロしている間にダンベルドアさんに取られちゃったみたい(^^;)なので、歌曲に行ってみました。  でも、これ、半端じゃなくいいですよね~。  KiKi も久しぶりに今、これを BGM にしています♪
ダンベルドア
2006年07月03日 23:51
>kikiさん
 風邪は、もう良くなりましたか?

テーマがシューマンとなった時、シンフォニーやコンチェルトでなく、室内楽か器楽曲にしようと思っていました。
 シューマンで室内楽といえばもうこれしかないでしょう。本当にいいですね。
ダンベルドア
2006年07月18日 23:55
>kikiさん
TBありがとうございます。
四重奏は私が先に書いちゃったみたいでしたね。
三重奏は良く知らない(多分持っていない)ので参考にさせていただきます。
 TBのダブりは処理いたしました。
KiKi
2006年07月19日 12:31
こんにちは♪  お手数をおかけしました。  TBダブリは以後、極力気をつけますね。  あ、四重奏曲の件はあまり気になさらないでくださいね。  でも、この記事を最初に拝読させていただいた時は、「しまった~!!  ヘロヘロしているうちに先を越されちゃったよぉ~ ^^;」と焦りました(笑)。  しかも音源まで一緒だったんですもの。  でもダンベルドアさんと同じものを選択していたことが嬉しくもあったんですよ♪

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